塩対応彼氏の恋愛事情。
「今日は楽しかったね。」
「はい!ありがとうございました!」
帰りに買って貰った大きな遊園地限定のマスコットキャラクターのぬいぐるみ。
それに顔をうずめると、シャッターをきる音がした。
「記念に1枚。」
遊園地をバックに、子供のようなことをしている自分の写真を見せられ少し顔が赤くなるのがわかる。
「じ、じゃあ水瀬さんも!」
「俺はいいよ」
「ダメです!」
半強制的にぬいぐるみを持たせ、ピースをさせる。
なんだかんだで言うことを聞いてくれた水瀬さんの写真も撮れて今日はすごく充実してたなぁ…。
「おやすみ、莉茉。」
「おやすみなさい、水瀬さん。」
今日、ひとつ分かったことがある。
それは────
「水瀬さん…ね。」
彼は私が名前を呼ぶ度、傷ついた顔をするということ。