塩対応彼氏の恋愛事情。


それに、あれは私?


水瀬さんの横で幸せそうに笑ってる。


でも最後は、泣いてる…。




“…遊佐のことが好き?”


どうしてあの時、そばにいてあげられなかったんだろう。

“絢くん”はあんなに不安そうな顔で、縋るような目で私を見つめていたのに。











「記憶が戻ったら、莉茉はきっと───」



ごめんね、絢くん。

本当は聞こえてたんだよ。







でもね、絢くん。

私ね、何回記憶を失っても、何回泣いても、絶対に───











「嫌いになんてならないよ、絢くん。」





“───俺の事を嫌いになるから。”


今度は貴方に寄り添うって決めたの。

もう逃げない。
そして、もう二度と貴方だけを忘れたりなんかしないからね。






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