塩対応彼氏の恋愛事情。
「絢くん!」
ポニーテールを揺らしながら毎日俺の元へ走ってくる彼女が愛おしかった。
そして転げそうになる彼女を支えるのは俺の役目で、そんな些細な事に幸せを感じていた。
───そんな日々も、長くは続かなかった。
「結月、最近髪結ばないけどどうかした?」
「うーん…気分かな?」
「そう。…似合ってたのに」
玲華との会話にも愛想笑いが増えていた。
もちろん俺との会話の時も、たまに車道側を歩く結月の腕を掴んだ時に歪む表情も。
全部全部、以前の結月とは違っていた。