塩対応彼氏の恋愛事情。
やがて制服が夏服になり、傷を隠せなくなった彼女がついたウソにはすぐに気づいた。
それでも隠したいと結月が思うのならと、触れないのが優しさかと俺は優しさを間違えていたのかもしれない。
「結月」
「なーに?」
「……なんでもない。」
「なにそれっ!」
今思えば、あの時。
もっと言えたことがあったんじゃないかと思うと、今でも後悔は止まない。
「また転んだ…ってそれ、転んでできる怪我じゃ…」
「でも階段の2段目からね、ずるっていっちゃったの!皆から笑われちゃってさ…恥ずかしかったな〜」
いつからか、はぐらかすように言葉をかぶせることが多かった。
そういう時は大抵愛想笑いもついてくる。