塩対応彼氏の恋愛事情。
「……だめだなぁ、わたし」
自販機横の椅子に座り、ため息をついた。
あのままあの場所にいたら多分、私は我慢できずに泣いてたかもしれない。
「ほんとに……だめだめだ。」
次々と溢れてくる涙を拭い、遠くから足音が聞こえて普通を装った。
こんな所で泣いてたなんて社内で広がっちゃ、なんて言われるか分からないし。
「あれ、篠宮?」
「遊佐くん!お疲れ様〜」
怪しまれないよう自販機で飲み物を買って戻ろうとしていると、ちょうど同期の遊佐くんと出くわした。
遊佐くんは私と同い年で同期だったから、同じ部署にいた頃はよく話したっけ。
「会うの久しぶりじゃん!元気してた?」
相変わらず遊佐くんは、話してるだけで元気になる。そんな人。