塩対応彼氏の恋愛事情。
「つ、きあう…って、どこにですか…?」
目を合わせられないから、俯いたまま質問に質問で返す。
そしたら何故かものすごいため息をつかれた。
「…好きって意味、なんだけど。」
その時私は初めて彼のポーカーフェイスが崩れるのを見た。
少し赤らんだ頬に、髪で隠れているけど時々見える真っ赤な耳。
“意外と恥ずかしがり屋”
…玲華の言ってた通りだ。
「わ、私でよければ…!」
テーブルから身を乗り出し、周りのお客さんの迷惑も考えずにその言葉が優先された。
「…すみません、嬉しくて…」
静かに自分の席に戻り、嬉し涙を拭う。
一目惚れして、一緒の職場に居られるだけでも幸せだったのに。
まさかその相手から告白されるなんて夢にも思わなかった。