塩対応彼氏の恋愛事情。


「今日はありがとね、遊佐くん」

「いーえ。気をつけて帰れよ〜」


家の近くまでは送ってくれたけど、ここから先は絢くんに会ったら誤解されるからと気をつかってくれた。


本当に遊佐くんは気遣いができる。私が気が付かないことにも気づいてフォローしてくれるし。



「感謝だなぁ…」


ネクタイピンっていう、絢くんが今求めてるであろうものもわかったし。





「ただいま〜…」

電気はついてないし、まだ絢くんも帰ってきてないのかな。





「…っわ、絢くん?!」


鍵を開けて、逆に閉まったからおかしいなと思ったら真っ暗な玄関に絢くんは座っていた。



「…おかえり。遅かったね」


咳払いをして絢くんは下駄箱に手を付き立ち上がった。



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