塩対応彼氏の恋愛事情。
「…遊佐くんからだ。」
一晩中声を押し殺して泣いていたから、声も変。
電話にも出れそうにないからメールをしよう。
“篠宮、大丈夫か?”
私からしようと思ったのに遊佐くんからの方が早かった。
それに玲華からもメールが来てる。
「……ネクタイピン。」
カバンの中に可愛くラッピングされた箱が入ってる。
無駄になっちゃったから、どうしようかな。
「絢くん、絢くん…」
まだ少し温もりが残ったベッドに横になる。
名前を呼んでも、愛しい人からの返事はないけど。
「ごめんね…っ」
朝、絢くんの手を拒絶して。
…今、絢くんの事を疑って。
「大好き、なの…」
本当に、本当に好きだから。
───だから、やっぱり私達……