塩対応彼氏の恋愛事情。
「…は?」
新しいネクタイピン?
あれ、篠宮が選んだやつじゃない。
ていうかあれ…
「おはよう絢都くん。」
「葛西さん、おはようございます」
馴れ馴れしく腕を組み、あからさまな好意を寄せてる葛西さんのネクタイピンの色違いだ。
まさか篠宮、その事に気づいて……
『──おかけになった電話をお呼びしましたが……』
電話にも出ないし、出勤もしてない。
それでも水瀬さんは出勤してる…。
「…何があったんだよ…」
前に俺が電話した時、水瀬さんが出てあからさまな威嚇をされてから、あの人への見方が変わった。
彼女とかに興味がなさそうなあの人がそこまで肩入れしてる篠宮だから、アンタならいいと思ったのに……───。