塩対応彼氏の恋愛事情。
葛西さんの手にあったもの。それは───
「…ね、だから言ったでしょ?」
莉茉と遊佐が抱き合っている姿。そして、前に莉茉が話していた雑貨屋で2人仲良さげにストラップを見ている姿。
「この2人、お似合いよね。なんか可愛くって私応援したくなるの。それに同期で同い年っていうじゃない?…正直、絢都くんのり──「帰ります。」
この女には付き合っていられない。
「絢都くん!」
最初の脅しは意味もわからなかったけど乗った。
ずる賢い女のことだ、どうせ乗らなければロクでもない事を仕出かすに違いない。
それにその時ちょうどネクタイピンを失くしていたのもあったし。
簡単にのんだ「ネクタイピンをつけて」というモノ。