塩対応彼氏の恋愛事情。
「水瀬さん、そろそろ睡眠を取った方が…」
「…いえ、構わないでください。」
少しだけ冷たい莉茉の手を握る。
目元の赤みもひいてない、涙の跡も頬に残ってる。
「……」
莉茉の目が覚めたら、俺はなんと謝罪すればいいだろう。
いや…もう会ってはくれないか。
こんな風になるまで放っておいた俺なんかには。
「…玲華?」
確か社長の付き添いで、今日帰ってくるはず。
『話は聞いてる。』
第一声から、怒っているのはわかった。けどそれと同時に泣いているのも。
『…1人で抱え込み過ぎなのよ、あんたら2人は。』
エレベーターの声が聞こえる。
多分そこまで来てるんだろうな。