塩対応彼氏の恋愛事情。


「下のエントランスに居たから引きずってきた。」


さっき帰ると言ったはずの遊佐を引き連れて玲華が病室に入ってきた。


「…莉茉ったら、いつまで寝てるの?」


少し笑いながら玲華が莉茉のベッド横に座る。

それはまるで妹を見ているような姉の目で、そこでまた罪悪感に苛まれそうになる。



「遊佐」

「…はい。」

「私と一緒に来てくれない?」



玲華が俺の方を見て頷いた。
今から玲華が何を話すのか、それで俺は理解する。




…莉茉にも話してない過去の事だ。







「…目が覚めたら、全部話すから。」


俺の過去のすべてのことを。









絢都side end





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