灰色メメント
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「これは珍しい…鳥人にお会いする機会など滅多にございませんから。
改めまして、いらっしゃいませ。この店の店主でございます」
「……本当に、剥製がたくさん置いてあるのね…」
人間から動物まで、色々な剥製が並べられている店の奥。
「………あの。どうして、私の声が…?」
「…私は、呼ばれたのならその人の元へすぐに飛んでいきますから」
少年の纏う不思議な雰囲気は、今まで飼われて酷い仕打ちを受けてきたどんな人間よりも闇が深いように感じた。
小さなこの少年の身体から醸し出されるものが、不思議で堪らなかった。
「さて────。
あなたの望みはなんですか?」
私は………。
「私は
1人きりでもいい。
自由な空を飛び回る夢を見続けていたい」
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『畏まりました』