煌めいて初恋
しばらく凪を見送り、姿が見えなくなると、楓は恵に声を弾ませながら言った。
「恵、貝原と仲良いじゃん!いい雰囲気だったよー」
すると恵は微かに頬を染めた。
「へへっ、そうかな?ありがとー」
恵は嬉しそうに頷いた。
そう、恵は凪のことが好きなのだ。小学校の頃からずっと片想いをしていて、なおかつ初恋の相手でもある。
恋愛に疎い楓は、打ち明けられるまで全く知らなかったのだが、友達の恋路は一生懸命応援したいと思っている。
「そうだ、貝原はクラス一緒だったっけ?」
「うん!っていうかクラスのメンバーくらい見とかないとダメでしょ」
恵は腰に手を当てて呆れたように首を振った。
「ごっめん…でも私は恵がいればいい!」
甘えるように抱きつくと、恵はやれやれと肩をすくめつつも、嬉しそうに抱き返してくれた。
「私も楓がいてくれれば嬉しいよ!」
その言葉に嬉しくなって、また楓は恵を強く抱きしめた。