煌めいて初恋
恵がそうエールを送った。
その目がキラキラとしていて、楓は思わず苦笑してしまう。
「ん、サンキュー。春田こそ頑張れよな、レギュラー選ばれたんだろ?」
「うん!初めてで緊張するけどっ」
恵の頬が赤く染まった。
「貝原はすごいよ。一年の時から試合にも出れてて、もうエースなんて」
恵にそう言われると、凪が照れたように「そんなことないって」と笑った。
「俺だけの力じゃねえしさ。去年、佐久間先輩がいてくれたお陰で強くなれたんだよ。その後を継ぐなんてことは流石に難しいけど、なんていうか、強くはなりたい」
そう話す凪の目は真っ直ぐだ。
恵も好きな人に真っ直ぐで、バレーに対しても迷いがない。
楓はそんな二人が眩しくて、そっと目を逸らした。
「ていうかそれは置いといて!さっきまで二人とも何してたんだよ。勉強してたようには見えないし」
びくっと体が震った。
チラリと恵を見ると、恵はここぞとばかりに目を輝かせている。
「ふふっ、楓が成長したって話!もちろん私たち二人だけの間の話だから、貝原には内緒!ね?」
恵以外には内緒の気持ち。
親友にしか言えない、秘密。
「うっ、うん!」
ニコニコと笑い合う二人を凪がなんとも言えない表情で見つめている。
楓はその様子がおかしくて思わず笑ってしまった。