煌めいて初恋
1章 出会って
「っ…はよ!」
私、白波楓は、予鈴ギリギリに校内へ雪崩れ込んだ。
「おっそいーーー」
小学校の時からの親友、春田恵が頬を膨らませながら、駆け寄ってくる。
「ごっめーん!遅刻ギリギリセーフ!」
両手を広げて戯けて見せると、恵に呆れながら肩を叩かれた。
「また朝までヴァイオリン弾いてたの?相変わらずねー」
「へへっ、まーね。」
苦笑いしながら鞄を急いで片付ける。