煌めいて初恋

歩いて登校する初めての学校は、かなり険しい山道で、何度この道であっているか心配になったことやら。
幾らコンクリートで補強してあるとはいえ、汗だくになるほどきつい。

汗だくになりながら歩いていると、やっと目的の中学校に到着した。
すでに多くの生徒が登校し終えているのか、辺りには誰もおらず、迷いつつも職員室へ入った。

学校に関する説明が終わり、そろそろだ、と担任の甲田という先生と共に連れ立って職員室を出た。

そのときだった。
柔らかい春の匂いと共に、同い年くらいの長い黒髪の少女が、予鈴とともに校内は入っていくのが見えた。

思わず、目で追ってしまった。
顔はよく見えなかったが、長い黒髪は綺麗そうだが、よく手入れをしていないのか、乱れてピンクの花びらが付いているのが確認できた。
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