煌めいて初恋
「昨年もこの学年を担当した、甲田です。よろしく」
本鈴と同時に登場した、銀縁眼鏡の端正な顔立ちをした先生。
彼は、知的で冷たい感じがするが、生徒のことをよく見ていて、どんなトラブルにも適正に判断して解決する、頼れる先生だ。
楓と恵の元担任でもある。
人気もあり、信頼が厚いので、今年もなってくれればと思っていたのだ。
「えっと、今年はこのクラスに転校生がやってくる。仲良くするように。」
全員の顔を見渡して、淡々と言うと、廊下に向かって声を掛けた。
「入っていいぞ」
音を立てて教室の扉が開く。
すると突然、教室がざわめき出す。
「ねえねえ、あの人もしかして⁈」
「本物?」