煌めいて初恋

「な、何?恵」


楓は教室の事態について行けず、後ろの席の恵に尋ねた。
すると恵は目を丸くして、


「楓、あの人のことも知らないの?」


と呆れ返った。そして声を潜めて楓に耳打ちした。


「あの人、鬼島昴だよ? Gold Rushの。
今すっごい人気のアイドルグループの人気ナンバーワン。聞いたことくらいはあるでしょ?」


「確かに聞いたことあるかも…」


なんとなく聞いたことがあるような、ないような。
思考を巡らせていると、その鬼島昴は教壇の前で立ち止まり、その顔をあげた。


キレイ。
それが彼の第一印象だった。


「僕は Gold Rushの鬼島昴です。と言っても今は学業との両立のため、仕事を制限させてもらっていますが……。事情があって引っ越してきましたが、プライバシー云々があるので、どうか内密にお願いします」
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