煌めいて初恋
淡々と言い放ち、にっこりと王子様スマイルを向けた。
思わず周りに目を向けると、女の子たちの目がハートになっており、男子も興奮を隠しきれないといった表情をしている。
「そう言う事で、鬼島のことをむやみやたらに話したり、ネットで呟くとか、写真を勝手に撮ったりしないように。
鬼島のプライバシーに関わることだし、学校や町にも迷惑がかかる。
軽率な行動は避けるように。」
甲田先生はもう一度注意を促した。
「っと、鬼島の席は…」
切り替えるように言うと、周りの空気が和らぎ、またみんな表情をギラギラさせた。
皆、芸能人の隣になりたいのだろう。楓はどうでもいいような気がしていたが、なんとなく隣になってみたい気もしていた。