煌めいて初恋
ちなみに…
森本のおじいちゃんというのは、近所に住むおじいさんだ。昔から楓たち白波家と交流があり、時々こうして森本のおじいちゃんの家に行って一緒にご飯を食べたりしている。
森本のおじいちゃんには、子供も孫もいるそうだが、遠くに住んでいるそうで、ほとんど会っていないと言う。当然、楓も会ったことはない。
最近はあまり森本のおじいちゃんに会えていなかったこともあり、楓はうきうきとして森本家に向かった。
「森本のおじいちゃ〜ん!」
到着するなり、楓は大きな声で森本のおじいちゃんを呼んだ。
すると、しばらくして家からドカドカっと言う足音が聞こえてきた。
「はーい」
のんびりとした声と共に、ガラガラッと玄関の扉が開いた。
「えっ…」
現れた人物を見るなり、楓は持っていた漬物のタッパーを落としそうになった。
「え?白波さん?」
昴だった。
楓はあんぐりと口を開けて固まってしまった。
昴も相当驚いたようで、目をパチクリと瞬かせている。
「おい、昴。何を突っ立っている」
そう言ってしばらく遅れて出てきたのは、森本のおじいちゃんだ。
「森本のおじいちゃんっ、これって…」
楓は戸惑いながら森本のおじいちゃんと昴を見比べた。