煌めいて初恋

しばらくはなんのことだときょとんとしていた森本のおじいちゃんだったが、やがてそんな楓をおかしく思ったのか、破顔して言った。


「こいつはわしの孫じゃよ。昴と言ってのう、普段は都会に住んでるんじゃが、しばらくうちで預かってあるんじゃよ」


「えっ、孫⁈」


楓は思わず目を剥いた。


仙人のような格好の森本のおじいちゃんと、超絶イケメンの国民的大スターの鬼島昴。


どうしても結び付かない。


「そう言えば、楓ちゃんと同級生だったかのう。そうしたら、こいつのことは知ってあるわな」


ははっと笑いながら森本のおじいちゃんは昴の背中をバチンッと叩いた。


「さっ、上がりなさい。楓ちゃんを見るのは久しぶりじゃのう」


そう言って森本のおじいちゃんは楓を家へ招き入れた。


「あっちょっと…」


楓が森本のおじいちゃんを追いかけて家の中に入ると、一瞬遅れて昴も中へ入っていった。


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