煌めいて初恋
「白波の隣だな」
みんながこちらをみた。楓はドキッとして体を強張らせた。
「楓の隣⁈いいじゃない」
恵はニコニコしながら言う。
当の昴は何事もなかったかのように、堂々と楓の隣にやってきた。
「宜しく」
それだけ言うと、さっさと鞄を片付け出した。
「こちらこそ…」
楓は戸惑いながら返事をした。
そしてなんとなくいたたまれなくなり、下を向いた。
「それじゃあ続きを始めます」
甲田先生の声に渋々みんな前を向くと、ホームルームの続きが始まった。
その間も楓はなんとなく注目されているような気がして、こっそり深いため息をついた。
ふと横を見ると、端正な顔立ちの昴は窓の外を見ていた。