煌めいて初恋

「白波の隣だな」


みんながこちらをみた。楓はドキッとして体を強張らせた。


「楓の隣⁈いいじゃない」


恵はニコニコしながら言う。
当の昴は何事もなかったかのように、堂々と楓の隣にやってきた。


「宜しく」


それだけ言うと、さっさと鞄を片付け出した。


「こちらこそ…」


楓は戸惑いながら返事をした。
そしてなんとなくいたたまれなくなり、下を向いた。


「それじゃあ続きを始めます」


甲田先生の声に渋々みんな前を向くと、ホームルームの続きが始まった。
その間も楓はなんとなく注目されているような気がして、こっそり深いため息をついた。
ふと横を見ると、端正な顔立ちの昴は窓の外を見ていた。
< 7 / 134 >

この作品をシェア

pagetop