煌めいて初恋

「うわーうまそー」


「腹減ってきた」


気がつくと、Gold Rush集団が庭先に集まってきていた。


「たくさん肉はある!たくさん食べて大きくなれよ」


そして森本のおじいちゃんの掛け声を合図に、皆飛びつくように食べ出した。
楓はわらわらと集まる網から少し距離を取りながら、その光景を見つめてみた。


Gold Rushも人の子なんだなぁ、と言う当たり前なことをしみじみ感じる。


いつもステージでキラキラと笑って、キャラを作って、好きでもない人と手を繋いで、サインを書いて。


そんなこと、よくできるなと思う。


「白波さん、食べないの?」


いつやってきたのか、昴が隣で肉を頬張っていた。
艶々とタレのかかった薄切りの牛肉は美味しそうだった。


「ん、食べるよ」


楓はにっこり笑い返すと、もくもくと煙立つコンロへ向かっていった。
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