煌めいて初恋

その後も皆の興味は昴にあり、始業式だろうがなんだろうが、上級生や隣のクラスの人も好奇の目で見つめていた。
しかし当の本人は慣れているのか、何事もないかのように過ごしていた。


「あれって gold Rushの鬼島昴だよね?
超イケメンじゃん」
「うわー、はじめて見たわ。芸能人がここにいる…」
「素敵」


様々な声が飛び交う中、楓は色んな人から羨ましがられ、怒涛のような一日だった。


「楓、帰ろー」


恵に声を掛けられ、楓はのろのろと鞄を持つと、重たい体をなんとか持ち上げ、教室を出た。


「恵…つかれた」


「うわー、老けたね」


恵はげっそりする楓を困ったように見つめる。


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