煌めいて初恋
魚の現れそうなポイントを探し、そのままゆっくりと手を水の中へ沈める。
水の流れが波のように伝わってきて、少しくすぐったい。
水の流れてくる方を見ると、きらりとしたものが近づいてきているのが分かった。
よし、来る。
ぬるぬるしたそれを掴んだのを感じると同時に、一気に手を振り上げた。
ザパッッ
「取れた!」
ピチピチ、といきのいい音と共に鮎が釣り上げられた。
太陽にきらりと反射する鱗が眩しい。
「見て見て!取れたよ!」
自慢げに掲げて見せると、4人ともあんぐりと口を開けていた。
「ええー!楓っちマジかよ」
琉矢が若干悔しそうに、でも興奮気味に近づいて来た。
「教えてよ、コツ!どうやったらそんなふうにバシャってやってガッてやってザパッてなってピチピチってなんの!?」
食い気味に来られ、後ずさる。
「琉矢、楓ちゃんがすごいのは確かだけど、琉矢の語彙力もなかなかだから。楓ちゃん引いてる」
琳が呆れたように笑った。
「えっわっ悪い……?うん?オイ琳、なんだとー!!」
琉矢が盛大に水飛沫を上げて琳を追いかけ回す。
智と昴はこっちに飛ばすな、と迷惑そうな顔をしたが、どこか楽しげだ。