煌めいて初恋

「ぶっ、あははっ!」


なんだかおかしくなって来て、ついに笑い声を上げてしまった。


「楓っちまでひどっ!」


琉矢が抗議の声をあげる。


そのうちにと、琳が琉矢に川の水をぶっかけた。
その水飛沫は盛大でこちらにまで飛んできた。


「ちょっと琳くん!」


抗議の声を上げた。が、


バシャッ


今度は琉矢が水をかけてきた。


「えっ、ちょっと!」


お陰で全身べしょべしょだ。
黙ってられない。


「ひどい!私には何の罪もないのに〜!」


琉矢と琳にめがけて水をぶっかけた。
そして見事に2人の顔面にかかった。


「ぶふぉ!やったなぁ〜!」


2人は更にこちらへ水をぶっかけてきた。が、それと同時に2人には智と昴から水がぶっかけられた。


「俺らにもかかったんだけど」


不敵な笑みでこちらを見下ろす二人。見下された琉矢と琳はぐぬぬ、と唸り、仕返しだと言わんばかりに水をぶっかけた。


そしていつの間にか、私も含め、5人で水を掛け合う状態に。
夏の始まりの川は冷たかったが、そんなことも忘れてしまうくらい楽しかった。
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