煌めいて初恋

「ほんと。芸能人ってすごいね」


ため息をつくと、恵も参ったと肩をすくめた。



「同じクラスってだけで羨ましがられるし、じろじろこっちばっか見てて緊張するし」


「分かるわ。でも当の本人は普通にしてたよ」


楓は始業式の間も昴の隣にいたが、好奇の目が寄せられる中、昴は何事もないかのように欠伸をしながら座っていたのだ。


「え、そうなのー?でもまあそんなもんか」


恵は納得というふうに頷いた。


「ていうかこの話やめよ。気が遠くなるー」


楓は話題を変えるように促すと、恵はそれを汲み取り、頷いた。
しばらく他愛もない話をしていると、突然後ろから声を掛けられた。


「白波、春田」
< 9 / 134 >

この作品をシェア

pagetop