煌めいて初恋
森本のおじいちゃん家へ戻ると、それはそれは怒られた。
私までべしょべしょになっていたのは意外だったようで、目を丸くされてしまった。
こっぴどく叱られたのち、結局なんだかんだ5人分のタオルは用意され、あとはことなきを得た。
「あー寒かったぜ!」
「ほんとにね!琉矢が単細胞のせいだから」
「はあ?琳がやり始めたことだろーが!」
タオルで体を拭きながら、またやいのやいのと琉矢と琳の争いが勃発しかけてしまっている。智と昴はこれはいつものことだ、と言わんばかりに見事にスルーしているが……。
「白波さん、寒くない?大丈夫?」
全身に水を滴らせた昴がそう聞いてきた。
べしょべしょになった姿なのに更に神々しさが増している。水の滴るいい男、そのものだ。
「大丈夫!全然寒くないよ」
昴からそっと視線を外し、少し緊張しながら答えた。透けたシャツから見える体は見た目にそぐわず、意外と隆々としていて、直視できなかったからだ。
「にしても、魚手づかみして、意外とワイルドなんだね」
ふっと昴が笑った。
「これくらいこっちじゃ普通だよ。都会から来た鬼島くんからしたらびっくりかもだけど、田舎だからって舐めてもらったら困るね」
したり顔で言ってみた。