煌めいて初恋

「言えてる」


智が短く相槌を打った。


「まあ実際仕事だなんだで忙しくてそれどこじゃないし、琳が彼女いることが不思議なくらいだよ」


昴が苦笑した。


「で…それは置いといて、楓ちゃんと昴はどういう関係なの?ずっと触れてなかったけど、ただの同級生ではないよね?」


琳の目がきらりと光る。


「えっ!?」


どういう関係?何と言えばいいか分からず、戸惑う。
昴をチラリと見ると、昴も若干戸惑っているようで、目に動揺が浮かんでいる。


「どうって言われても……、ただのクラスメイトだよ」


昴がそう答えた。しかし、琳はそれに納得していないようで、食い下がる。


「でも昴、近寄ってくる女の子みんな遠ざけてきてるじゃん。でも、楓ちゃんはむしろ昴から近付いていってるよね」


「へっ」


反応してしまった。楓ははっとして口を押さえた。昴を見ると、眉をひそめていた。


「俺だって全部の女子を遠ざけてるわけじゃない。白波さんはそういう女子とは違うし、じいちゃんとも仲良い。遠ざける理由がない」


昴はきっぱりと言った。すると琳は満足したのか、にこりと笑って「そ」と言ったきりもうその話は持ちかけてこなかった。
< 92 / 134 >

この作品をシェア

pagetop