ココロ〜食べなきゃ幸せになれない〜

「いよいよ明日からまた大学へ行けるんだ〜……」

嬉しそうに楓は笑う。身体中に栄養が届いているため、楓は元気よく動くことも全く辛くなくなっていた。

「楓ちゃんが元気になれて本当によかったよ」

嬉しそうにする楓に健太郎が微笑む。楓の家に健太郎は遊びに来ていた。健太郎が買ってきてくれたミルフィーユを頬張り、楓は「でも、一つ心配なことがあるんだ」と表情を暗くする。体重が戻っていくと頭に浮かぶのは浩二のことだ。

「またデブって言われないか心配で……」

そう浩二に言われたら、またダイエットに走ってしまうのではないか、そんな不安が楓を包む。すると、ふわりと健太郎に抱き締められた。

「大丈夫。楓ちゃんのことは僕が守るよ。明日、僕も一緒に大学に行くから」

「……どうして私なんかのためにここまでしてくれるの？患者だから？」

違うかな、と言い楓から健太郎は離れる。しかし、その顔や耳は赤く染まっている。