ココロ〜食べなきゃ幸せになれない〜

友達は浩二に言い訳の隙を与えることなく口々に言う。楓も勇気をもらい、スッと浩二の前に立った。

「な、なあ！お前拒食症とかじゃねえよな？だってお前明るくて心の病気とは無縁だし」

「心の病気に性格は関係ありませんよ。ふとしたことで心の病気は起こるんです。性別や人種、年齢に性格などは関係ありません」

健太郎の言葉に浩二は顔を真っ青にする。その様子を楓は冷たい目で見ていた。楓はゆっくりと口を開き、浩二を睨み付ける。

「何であんたみたいな男を初めて好きになったのかわからない。あんたのせいで大事な人生を壊すところだった。……もうあんたとは別れる。二度とあたしに関わらないで！」

呆然とする浩二を放置し、楓は「行こう！」と笑顔を友達に見せ、健太郎の手を取る。心にあるモヤは全て消え去った。目の前に広がっているのは自由だ。

「みんな、本当にありがとう！」

楓は笑顔で言う。健太郎や友達は「よかった」と微笑んでいた。

「なら、改めて申し込むよ」