ココロ〜食べなきゃ幸せになれない〜
しかし、きちんと食べていない体は体力がつかず、楓は大学に行くのもフラフラな状態だった。
「行ってきます……」
「車で送って行こうか?」
お父さんがそう訊ねるが、楓は「いい。運動しなきゃ、太っちゃう」と虚な目で呟き、家を出た。その体に以前のような元気さはない。
一歩を歩くだけで楓の体は石が乗せられていくかのように重くなっていく。坂道や階段は登ることができない。大学へ行くまでまっすぐな道でよかったと楓は息を吐いた。
「あと少しで、大学……!!」
今朝体重を測ったら、楓の体重は37キロになっていた。これなら浩二も女の子として見てくれるかもしれない、そう期待しながら楓は歩く。その時、ポンと肩を叩かれた。
「大丈夫ですか?気分でも悪いですか?」
どこかで聞いたことのある声に楓はゆっくりと振り返る。その動作でさえ楓にとっては辛かった。
楓に声をかけたのは、明るい髪をした眼鏡をかけた男性だった。その顔に楓は見覚えがある。いとこの健太郎だ。
「行ってきます……」
「車で送って行こうか?」
お父さんがそう訊ねるが、楓は「いい。運動しなきゃ、太っちゃう」と虚な目で呟き、家を出た。その体に以前のような元気さはない。
一歩を歩くだけで楓の体は石が乗せられていくかのように重くなっていく。坂道や階段は登ることができない。大学へ行くまでまっすぐな道でよかったと楓は息を吐いた。
「あと少しで、大学……!!」
今朝体重を測ったら、楓の体重は37キロになっていた。これなら浩二も女の子として見てくれるかもしれない、そう期待しながら楓は歩く。その時、ポンと肩を叩かれた。
「大丈夫ですか?気分でも悪いですか?」
どこかで聞いたことのある声に楓はゆっくりと振り返る。その動作でさえ楓にとっては辛かった。
楓に声をかけたのは、明るい髪をした眼鏡をかけた男性だった。その顔に楓は見覚えがある。いとこの健太郎だ。