ドロ痛な恋が甘すぎて
その萌えボイスと王道妹キャラで、男性ファンを虜にしている彼女は、アイドルネーム『苺』
俺より1つ年下の高2。
『フルフルフルーツ』というアイドルグループのセンター兼リーダー。
俺が苦手なタイプ、ダントツ1位。
小悪魔な甘え上手を売りに、男心を掴んでいるみたいだけど……
『かわいく甘えれば失敗もワガママも許してもらえる』的な言動が、俺をイラつかせる。
って言っても、こいつにも俺の本性は隠しているから、一応心のない微笑みをキープ中なんだけど。
すでに笑顔キープが限界ギリギリ。
早くこのスタジオから出て行けよ!
そう思ったのに……
「いちご、来るの遅すぎ」
マネージャーの言葉に
「蓮見さんが言ったんじゃないですかぁ。学校が終わってからスタジオに寄ってって。一応、早足で来たんですから、ほめてくれないと、いちご泣いちゃいますよ」
ぷくっとほっぺを膨らまし、まぶたをこするポーズ。
ダメだ。
マジでその顔、そのしぐさ、受けつけない。
拒絶反応を示した俺の瞳。
苺を視界にすら入れたくねぇ……