ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 大きな瞳をウルウルさせて。

 まっすぐに俺の瞳を見つめて。

 ダメだ俺、脳天チョップ食らわせて失神させたくなる。

 俺の目の前にいるのがほのかだったら、抱きしめたいくらいだけど。

 男を誘惑するテクニックを駆使している感が、ドン引き以外の何物でもない。


「綾星、歌聞かせてあげるくらいいいでしょ!」


 マネージャーの高圧的な声に反論したいが、やめておく。

 俺が一言でも文句を言えば、反省会確実。

 この場で正座をさせられて、お説教1時間コース。


 妖怪かって思うくらい、マジで怖いんだよな。

 本気でキレた時のマネージャーって。


 諦めモード突入の俺。

 特別な奴以外俺の本性は見せたくなくて、優雅な貴公子スマイルで苺に微笑んだ。


「いいよ、歌を聞くぐらい」


 聞いたらすぐに消えろよ、俺の前から。

 そんな濁った心を、ため息と一緒に体から追い出す。


 だって今から俺が歌う曲は、ほのか以外を想って歌いたくないから。


 俺はギターの弦に指を置くと、自分の心の中にある想いを綴るよう、歌声をギターの音に乗せた。
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