ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目



「ほのか、遅すぎ」


「ふぇ?」


「もっとテンポ良く玉ねぎ切って」


「ムリだよぉ、これが精いっぱいの速さだもん」


 何をするにも、ナマケモノさんみたいにノロマな私。

 料理中も綾星くんにイジられまくり。


「マカロニ、茹ですぎじゃね?」


「あっ、タイマーかけるの忘れてた……」


「マジかぁ」


 自前のエプロン姿の綾星くん。

 料理男子ってかわいいものではなく、悪魔モードで私をいじってくる。

 言葉だけ受け取ったら、『きつすぎ』って辛くなっちゃうはずなのに、心地よく感じてしまう私。

 フライパンを片手に材料を炒める綾星くんの横顔に、なぜかドキドキまでしてしまって。


 オーブンでグラタンを焼いている間、綾星くんは手際よく野菜をカット。

 エプロン男子に見とれている間に、サラダが完成していた。

 綾星くんって要領がいいんだな。

 何をやるにもノロマな私と、同じ人種だとは思えない。
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