ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目
苺さんって誰?
どんな子?
綾星くんの彼女?
「ったく、電話になんか出なきゃよかった」
貴公子モードじゃない綾星くんだ。
私の前だけじゃなく、苺さんの前でも素を出しているってことだよね。
「たいした用じゃないんだから、電話なんかかけてくるなよな」
独り言のようにつぶやいた綾星くんの顔が、フッと緩んだ。
その笑顔がやけにキラキラ見えて。
綾星くんにとって苺さんが特別な存在って気がして。
余計に胸が苦しくなる。
嫌……
私以外の女の子を想って、そんな風に笑うの。
嫌……
私以外の女の子に悪魔の本性を見せるの。
この想いが嫉妬だと気づいたとたん溢れ出した、グチャグチャな想い。
絡まった糸をほどきたくて、自分に問いかける。
『私って綾星くんのことが好きなの?』
心の奥に押し込められていたもう一人の自分が、静かに頷いた。
ひぃえ!!
私はいつのまにか、綾星くんのことを好きになっちゃってる!!