ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目
綾星くんのことが好きってわかった途端、ドキドキが止まらなくなっちゃった。
何を話していいかわからない。
どんな顔をして綾星くんを見ればいいかわからない。
でも……
帰って欲しくない……
自分の思いを素直に言えなくて、この関係が終わっちゃうのが怖くて、綾星くんにどんな言葉を伝えればいいかわからない。
黙ったままの私の耳に、呆れたようなため息が届いた。
「明日早いから帰る」
軽蔑されたような声。
私のことを嫌いになっちゃったような声。
もう私の前なんかに現れてくれないような声。
私を視界に入れないまま荷物をまとめ、綾星くんはリビングのドアから出て行った。
「やだ……」
涙と共に吐き出された私の想い。
か細すぎて、綾星くんになんて聞こえない。
「帰っちゃ……やだ……」
玄関のドアが閉まる音がバタリ。
私の短い恋が終わった。
そう思わせるほど、痛々しい音だった。