ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

御曹司の想い

☆綾星side☆



　はぁぁぁぁ。

　もう完全にダメじゃん、俺の初恋。


　学校に行く前。

　洗面台の前で歯磨きをしながら、情けない自分の顔を見て肩を落とす。


　ほのかの家で一緒にグラタンを作ったのは４日前。
　
　あれから連絡を取っていない。

　スマホの番号を交換したわけじゃない。

　メアドだって知らない。

　ま、知っていたとしても、今のへたれな俺じゃ連絡すらできないけれど。

　
　『ほののんに告白できた？』

　昨日の夜、春輝からメッセージが届いた。
　

　『できてない。俺、ほのかに嫌われたみたいだし』

　そう返信した２０秒後、『原因は？』と春輝から。


　知らないよ、そんなもん。

　二人で料理して、一緒に食べて、すげー楽しいって俺は思ったのに。

　そう思ったの俺だけかよ。

　マジで凹むんだけど。



『原因なんてわかんない』


　素直な俺の声を込めたメッセージに、弱々しいコメントが帰ってきた。


『なんかごめん。あやあやの恋ダメにしてるの僕かもね』と。


　慌てて『春のせいじゃない』って送ったけれど、返事は来なかった。