ドロ痛な恋が甘すぎて
『蒼吾は明日、うちの支所に来るんだよな?』
『プレゼン聞きに行くけど、大丈夫かな?』
『何が?』
『俺の顔なんか見たら、ほのかちゃんが傷ついちゃうと思う』
『だから、広瀬の気持ちばっか考えんなって』
『でも……辛そうな顔……見たくないし……』
『蒼吾はまだ好きなんだろ? 広瀬のこと』
『……大好き』
『しょうがねえな。明日、広瀬と二人きりになれるタイミング作ってやる』
『やめてよ、ほのかちゃんが……』
『ほのか、ほのか、うるせーんだよ!』
『……』
『蒼吾のそういう優しさ、マジでイラッとする』
『そんなこと……言われても……』
『うちの支所の奴ら、数人狙ってるからな。広瀬のこと』
『え?』
『広瀬が会社の奴と結婚したら、蒼吾、お前が結婚式のスピーチやらされるぞ。耐えられるのか?』
『それは……ムリ……』
『だろうな。かといって、結婚式に花嫁を奪う度胸もお前にはないだろうし』
『言い返す言葉が見つからない……』