ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 私なんかがお願いなんて伝えたら、絶対に嫌われちゃう。

 図々しいとか厚かましいとか思われちゃう。




 思ったまま口走っちゃった言葉。

 消えてなんてくれなくて、謝ることしかできない私。



 どうしていいかわからなくて地面を見つめる私の耳に、飛び跳ねるような蒼吾さんの声が届いた。




「かわいい」


「ひゃ?」



 かっ、かわいい?

 私のことじゃないよね?




「俺のこと、想ってくれてるってことでしょ?」


「……はい」


「ほのかちゃん、かわいいすぎだから」


「そんなこと……」


「そうやって俺のことだけ見ていてね。一生」




 一生?

 それってこれから先、ずっとずっとってことだよね。



 いいのかな?

 こんな素敵な人を、私が独り占めしちゃっても。




 そう思えるほど蒼吾さんは素敵な人。


 いつも穏やかで、いいところをたくさん褒めてくれる人。



 私なんかと付き合ってくれるだけでも贅沢なのに、結婚なんてまだ信じられない。



 私の心が甘すぎる幸福感で満たされたまま、手をつなぎお弁当屋さんの自動ドアをくぐった。

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