ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 心配そうな瞳で春輝の背中を見送るマトイに、素直な疑問をぶつける。


「最近の春って、なんかおかしくないか?」


「は? どこが?」


「だってあいついっつも、楽しそうに笑ってる奴じゃん」


 そう、春輝はいつも笑っている。

 俺が出会った小1からずっと。


「綾星、それ本気で言ってるわけ?」


「は?」


「いつも笑ってられる奴がこの世にいるって。そんなふざけたこと思ってねえよな?」

 
 怒りが含まれているようなマトイの瞳にぞっとする。

 でも春輝は、子供の頃からそういう奴じゃん。

 いっつもニコニコ笑って。

 楽しそうで。

 俺らの前で泣いたり怒鳴ったりしないで。

 ブーブー文句言いながらも、エㇸへって笑ってる。

 俺が見てきた春輝は、間違いなくそんな奴。


 俺の楽観的な脳を日本刀でぶった切るように、マトイは容赦なく嫌みをぶつけてきた。


「綾星、目ん玉ついてるよな?」


「は?」


「見えてないわけ?」


「何をだよ」


「春の奴、わかりやすいぐらいSOS出してんじゃねーか」
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