ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

「もういい」


「あの子は来てないけど」


　あの子って誰のことだよ？

　視線をぶつける俺に、親父はニヤケが抑えられないらしい。


「前に綾星が家に連れ込んだ子、いたじゃん」


「苺？」


「ちげーよ、店の洗面所で泣いてた子。お前が家に連れ込んで、オムライス作ってやってたじゃん」


「……親父……見てたのかよ！」


「俺の店だからな」


　マジでハズい。

　親に俺のマジ恋がバレるって。
　
　背中がむずがゆくなってきた。

　もういい、とりあえず自分の部屋に逃げ込もう。

　そう思った時、親父の瞳が急に穏やかに光りだして。


「やっぱお前にはさ、一生こいつと居たいって本気で思える子と結ばれて欲しいわけ。親としてさ」


「なんだよいきなり」


「だから綾星、ちゃんと伝えろよ」


「は？」


「自分の想い、ほのかちゃんにさ」


　はああぁぁぁぁ？？


　なななな……なんで

　俺がほのかのことを好きだって、親父が知ってるんだよ！　

　しかも名前まで。