ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 どうしよう俺。

 『オムライスを食べに来い』なんてサインを書いたくせに、ほのかに会う心の準備ができていない。

 そんな情けない理由から自分の存在を隠す。

 ほのかから見えない店の奥の壁にもたれかかった。


 ほのかが来た。

 マジで来てくれた。

 すっげー嬉しい。

 今すぐほのかに駆け寄りたいほど嬉しい。


 それなのに……


 何してんだよ。

 俺の足、早く動けよ。 

 一歩ずつでもいいから、ほのかに近寄れよ。


 脳が命令しても全く動こうとしない体。

 俺はいまだ店の奥に隠れたまま。

 
 こういう時は、レイジ、俺に乗りうつってくれない?

 ドロ甘で痛々しいセリフをほのかに浴びせても、お前のこと許すから。

 レイジ、マジで頼む!


 心の中で手をこすり合わせ、都合よくレイジを憑りつかせようとするも、ただただ無意味なだけ。

 ほのかにバレないよう、少しだけ顔を出す。


 5メートルほど離れたレジ前にいるほのかは、うつむいたまま。

 どんな表情をしているのかわからない。
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