ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 
「かっこ悪いよな……」


「え?」


「ほのかの心の中、俺で占領したくて必死って。どれだけ心に余裕ないんだよ。ガキじゃん俺」


 苦しみが沁み込んだような綾星くんの声に、なんて言葉を返せばいいかわからない。

 出てくるのは安っぽい言葉だけ。


「そんなことないよ」


「俺さ、すっげー恥ずかしいんだけど」


「うん」


「初恋なわけ」


「え?」


「だから。誰かを好きになったの、ほのかが初めてってこと」


 ほ……本当なの?

 
「誰かと付き合ったことは?」


 目を閉じ首を横に振る綾星くん。


 信じられない。

 こんなにカッコよくて、ステージでもキラキラしていて、いつもファンや女の子たちに囲まれているのに。


「好きな子とかいなかったの?」


「どうせ女なんて俺の顔しか見てないんだろうって思ってたし、信用するの怖かったからさ。明梨ちゃんのことは一応、司会者として尊敬はしてるけど」


「そうなんだね」


「だからさ、俺、余裕がないんだ」


「……」


「嫌われたくないとか好かれたいって思ったの、ほのかが初めてで。だからレイジに乗っ取られたんだろうな。メンタル弱すぎ」


 レイジ君に乗っ取られたって、どういう意味だろう?


「だから、ほのかのこと思ってあんな歌詞を書いちゃったし。寝たふりしてキスしたのだって……」
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