ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 彼女のお母さんと楽しそうに笑う蒼吾さんの声が、今も店内に響いている。


 
 聞きたくない。

 大好きでしかたがなかった蒼吾さんの甘い声なんて、耳に入ってこないで欲しい。



 止まらない涙が、頬を伝って床を濡らす。

 悲しみを抑えられなくて、崩れるようにしゃがみ込んだ。

 そして思いっきり瞳を閉じ、手のひらできつく耳を塞ぐ。




 何度も何度も願う。



 これが夢でありますように。

 悪夢が過ぎ去って、蒼吾さんが私だけを見てくれますように。



 でも床にできた水たまりが、はっきり証明している。

 私は遊ばれただけって。

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