ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目
「え?」
「は?」
「ん?」
「何か言った? 俺」
頭が働いていないような綾星くん。
ぼんやり開いていた目をぱっちり開け、いきなり声を荒らげた。
「い……いい今の、聞かなかったことにして。マジで……」
私の背中に顔を押し当てる綾星くん。
すごく動揺しているみたい。
「歌詞? 寝たふりのキス?」
ん?
えぇぇぇぇぇえ!!
もしかして苺さんとステージで歌った曲って、私を想って歌詞を書いてくれたの?
しかも寝ぼけた綾星くんが私にキスをしたあの時、本当は寝ていなかった、意識がはっきりした状態だったってこと?
「今の……本当なの?」
私の問いかけに答えが返ってこない。
綾星くんの顔が、私の背中にさらにうずめられただけ。
恥ずかしがっているのかな?
見たいな、ものすごく見たい。
「綾星くんの顔、見てもいい?」
「……」
「無視するなら、帰っちゃうよ」