ドロ痛な恋が甘すぎて アミュ恋2曲目

 え?

 何かが揺れてる。

 頭を振りすぎて、ぼやけ気味の脳のまま自分の胸元に視線をつきさす。

 これって……


「とってくれるんだよな?」


「え?」


「俺の心の中を占領しまくってる責任」


「あ……うん」


 顔を赤く染めて、恥ずかしそうに私から瞳を逸らしている綾星くん。


 責任って、いま私の胸元で揺れているシャーベットブルーの雫のネックレスと関係があるのかな?


「このネックレス……」


「前みたいに返されても、俺は受け取らないから」


「え?」


「この先ほのかが俺のファンを卒業するって言っても、絶対に『いいよ』なんて言わない」


「うん」


「ほのかは一生、俺のことを『最推し』な」


「さい……おし……?」


「一生、俺から離れるなってこと」



 できるよな?と付け加えた綾星くんの悪魔っぽい意地悪っぽい声が男らしくて、私の心がくすぐられて火照っていく。


 無理だよ、きっと無理。

 この先、こんな大好きな綾星くんから離れるなんて、私の方が無理にきまっている。


 だってこんなに私のことをゾクゾクさせて、ドキドキさせて、とろけさせてくれる人なんて、綾星くん以外に存在しないから。



 素直に頷いた私。

 綾星くんはドロ甘貴公子並みの笑顔を私に向けると、綿菓子みたいに甘く優しく抱きしめてくれました。





< 194 / 216 >

この作品をシェア

pagetop