ドロ痛な恋が甘すぎて

その後の二人

☆綾星side☆



　ほのかと付き合いだして２週間がたった。

　俺、変わりすぎじゃね？

　ほのかと出会う前の俺が見たらドン引き確定。

　こんな痛すぎる男が数か月後の俺だと知ったら、昔の俺はショックすぎてマグマに飛び込んでいるに違いない。


　恋って恐ろしすぎだよな。

　レイジ並みの痛々しいことも平気でほのかに言ってしまう。

　無意識と計算、両方で。



　ほのかは前彼一家が経営する会社を退職した。

　そして俺の強いラブコールで、俺の家の弁当屋で働き始めた。

　昼前の１１時から閉店の夜の８時までが、ほのかの勤務時間。

　
　学校やダンスレッスンから俺が帰ると「おかえり」と、とびきりの笑顔をプレゼントしてくれる。


　陽だまりみたいな笑顔に弱すぎな俺は、その場で思いっきり抱きしめて『大好きだよ』って微笑み返したくなるんだけど……

　残念ながらそれは無理。

　店だから。

　営業時間中だから。

　他のお客に見られちゃうから。