ドロ痛な恋が甘すぎて
独り占め

☆ほのかside☆


 綾星くんに手をつながれ、やってきたのは綾星くんの部屋。

 夜8時から9時までの1時間だけ。

 私はこの部屋で綾星くんを独り占め。


 綾星くんファンに見つかったら刺されちゃうかな?


 綾星くんはファンの子たちに本性を暴露してから、人気が一気に上がったんです。


 『ドS』

 『悪魔』

 『余裕のある貴公子』

 いろんな表情にキュンキュンしちゃうという、熱狂的なファンも増えたみたい。

 今まではアミュレットの中で雅くんがダントツで人気1位を独占だったけれど、綾星くんが1位になることも増えてきた。


 嬉しいな。

 綾星くんの良さを、みんなにわかってもらえるのは。


 でも……


 心配でもある。

 不安でもある。
 
 綾星くんの隣にいるのが、こんな冴えない私でいいのかな?

 いつか私より好きな子ができて、いなくなっちゃうんじゃないかな?


 綾星くんにもらったシャーベットブルーの雫のネックレス。

 不安そうに私の胸元で揺れている。

 私は泣き出しそうな雫を、手のひらで優しく握りしめた。

< 201 / 216 >

この作品をシェア

pagetop